仕事に対する心構え

心構えとは、「物事に対処する心の準備や覚悟」をいいます。人の価値観は多様で、人生のなかで仕事をメーンに考えている人も、手段として捉えている人もいます。仕事が好きな人も、嫌いな人もいるでしょう。結果、仕事に懸命な人も、懸命でない人もいます。こうして定義を決めて、分析すれば何百通りの比較ができるかもしれないほど仕事に対する人の意識を評価して位置づけることは困難です。

 

パレート法則によれば、組織のなかで80%の成果を挙げている人は職員の20%に過ぎず、残りの20%を80%の人が行っている。80%のうち60%与えられた仕事を行っているだけで、残りの20%は、与えられた仕事ですらうまくこなせていない可能性も高いといわれています。

 

職員に仕事に対する心構えを説き、何とか組織の進む方向に歩調を合わせ、全ての人に力を貸してもらうということは難しいのかもしれません。

 

しかし、そうはいっても組織全員に何かをしてもらい組織が成立しているとしたら、どのような仕事への価値観をもっていたとしても、全ての人に成果を挙げてもらわなければなりません。『一人ひとりを評価し、どのような価値観をもち、病院で何をしたいのかを聴取する。組織の求める目標と本人のやりたい事をすり合わせ、本人の役割を検討し、その役割を依頼(付与)して受容(約束)してもらい、役割が果たせるように組織が支援する』という、コミットメント(約束)サイクルを廻すことが必要です。

 

一人ひとりの職員に光を当て、肌理の細かい指導を行えばパレート法則を崩すことも可能ではないかと私は密かに考えています。話がそれましたが、上記コミットメントサイクルを廻しながら、仕事に対する心構えを説く必要があります。とりわけ重要なポイントは、「役割を依頼して受容してもらう」部分です。

 

「君はこういうことがしたいんだよね。こういうところ期待している。なのでこの仕事を是非やって欲しい。信頼に応えて欲しい」という面談時のやりとりを通じ、「このことは当院として何としてでも達成しなければならない。宜しくお願いします」と依頼。ここで部下に心の準備をしてもらい、本人に、受容れることを覚悟と捉えてもらうのです。

 

もちろん人により意識の濃淡はありますが、『仕事に対する病院側の姿勢や具体的な目標、そしてその役割を果たしてもらうために君が必要だ』というスト―リーは(職員から面談者が信頼されていれば)職員一人ひとりに何等かの気づきと小さい心の準備、そして、ほんの少しの覚悟を醸成することができると考えています。

 

ただ、実際にはやる気のない、やりたいことのない職員も一定程度存在し、この段階のマネジメントに到達しない組織があるのも事実で、その場合は別のアプローチも必要です。

 

まずは、コミットメントサイクルを廻し続けることで成果を挙げて成功する者が多く生まれ、達成感を経て、仕事に対する心構えや覚悟がそれぞれに根付くと期待しています。もし、今よりよい成果を挙げたいと願うリーダーであれば、ここでいうコミットメントサイクルを自院で廻すことをお勧めします。

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